行動特性のモデル分類。前回はDISC理論に基づく分類の説明をしましたが、LISACO®ではどのように分類しているのでしょうか?今回も、4人の部下を持つ岬課長(みさき かちょう)と上司の千部長(せん ぶちょう)のやりとりを見てみましょう。
もくじ
いよいよLISACO®の話に
千部長、今日は特別にお時間を頂き、ありがとうございます。
本当は直接会って食事でもしながら話せれば良かったんだけど、緊急事態宣言の延長が続いているから、結局リモートでの開催になっちゃったね。
残念ですが、もう少し我慢をする必要がありそうですね。前回お会いしたときに、行動特性についてDISC理論とモデル分類についていろいろと教えて頂きました。あれから続編がずっと気になっていたんです。
LISACO®のモデル分類の説明に入る前に時間切れになったんだっけ?
そうです。稚鮎のシーズンでしたよ。
天ぷら旨かったなぁ
千部長は料理がお上手ですよね。今日もご自分で何かご用意されたのですか?
牛すね肉を醤油で煮込んだ冷菜―醤牛肉(ジャン・ニィウロウ)を作ってみた。産地応援で牛肉のブロックを買ったんでね。
たっぷりの香菜が添えられて雰囲気ありますね。
岬課長は何か作ったの?
私は地元の洋食屋さんからフライの盛り合わせをテイクアウトしました。これが美味しいんです。
地元の飲食店の応援も大切だね。
これまで家内ともどもずっとお世話になっていたお店でして。では、そろそろ始めて宜しいでしょうか?
閑話休題。早速はじめよう。
LISACO®による行動特性のモデル分類
DISC理論によるモデルでは、D型(主導)、I型(感化)、S型(安定)、C型(慎重)に分類されていましたね。
LISACO®は、チャレンジタイプ、オフェンスタイプ、バランスタイプ、ディフェンスタイプに分類しているんだ。
詳しく教えてください。
各タイプについては、あとで詳しく説明するけど、その前にLISACO®がどうやって行動特性をこの4タイプに分類しているかを説明するね。
お願いします!
LISACO®は60問の簡単な質問への回答に基づき行動特性の診断を行うことは知っているよね
はい。
質問は論理性、志向性、厳格性、受容性、補完性、開放性の6つの因子のいずれかと関係しているんだ。LISACO®は回答を集計してこの6つの因子ごとに数値化する。
数値が高いほうが良いのですか?
いや。そうじゃないんだ。例えば、論理性の数値が高ければ論理重視、低ければ感性重視というように傾向を現しており、どちらが良いと評価をしているわけではないんだよ。
なるほど…じゃあ、志向性の数値が高いと…
理想主義者。逆に数値が低いと…
リアリストということですね。
そのとおり。論理性(Logicality)や志向性(Intentionality)と同様に、厳格性(Strictness)、受容性(Acceptability)、補完性(Complementarity)、開放性(Openness)も数値化されて、それら因子の数値の関係性から詳細診断され、分かりやすく4つのモデルに分類し、表示されるんだ。
だから、LISACOなんですね!
では、お待ちかねの4つのモデル分類を説明していくね。
行動特性分類―チャレンジタイプ
歴史上の人物で例えるなら、戦国の英雄なら織田信長、幕末の英雄なら大久保利通が近いかもしれません。
使命感が強く、スピード重視で、苦しいこともやり遂げる頑張り屋です。
長期的視点で物事に当たり、自らリスクのあることにチャレンジすることを望みます。
ただ、自尊心が強く、言葉もきついので、周囲と摩擦を引き起こしてしまうところがあります。
行動特性分類―オフェンスタイプ
歴史上の人物で例えるなら、戦国の英雄なら豊臣秀吉、幕末の英雄なら坂本龍馬が近いかもしれません。
親分肌で好奇心旺盛、仲間思いのノリの良い熱血漢です。
新しい物好きで、情報収集能力が高く、対外的な仕事を好んで行います。
ただ、感情的な行動をとりやすく、好き嫌いで物事を判断してしまうところがあります。
行動特性分類―バランスタイプ
歴史上の人物で例えるなら、戦国の英雄なら毛利輝元、幕末の英雄なら伊藤博文が近いかもしれません。
思いやりの心が強く、みんなを纏める調整役です。
こだわりがあり、自分自身が納得できない行動や決断はしませんが、納得すると即行動します。
ただ、優しすぎて自分の意見をはっきり言えないところがあります。
行動特性分類―ディフェンスタイプ
歴史上の人物で例えるなら、戦国の英雄なら徳川家康、幕末の英雄なら西郷隆盛が近いかもしれません。
こつこつと課題に取り組む職人肌のこだわり派です。
決めたことを徹底して実行することにはピカイチで、決定事項に対しては常に100%を目指します。
ただ、未経験のことへのチャレンジが苦手なところがあります。
まとめ
ありがとうございます。わかりやすいですね。
実は、説明したのはLISACO®の4分類のモデルの平常時の特徴なんだ。実はもう一種類モードがあるんだよ。
【裏】モードとかですか?
ははは。近いかもね。人って高いストレスがかかると、人が変わったりするじゃない?LISACO®のモデルは、平常時と高ストレス時で特徴が違うんだよ。
例えば、オフェンスタイプの人は、高ストレス時にはどうなるんですか?
オフェンスタイプの人は、独占欲が元来強いので、自分の思ったような状況にならなかったら厳しく叱責することが増えたりする傾向がある。
結構【裏】モードは印象が変わるもんですね。
そうでもないんだよ。もともと仲間に対する思い入れが強いという特徴があって、通常モードでは面倒見が良く仲間を助ける行動として現れ、裏モードではどうしてわかってくれないんだと叱責する行動として現れるということだね。根っこは一緒。行動は正反対に見えるけど、表裏一体だね。
LISACO®は面白い発想で診断・分析をしているんですね。
そうだね。面白ついでにもう一つ。LISACO®では、高ストレス時にタイプ自体が変わってしまう人もいるんだ。例えば、平常時にチャレンジタイプで、高ストレス時にはディフェンスタイプになる人もいるんだ
タイプが変わる人は、ストレスがかかる場面では人が変わった状態になるということですか?
ギャップは大きいだろうね。いずれにしても、高ストレス時の特徴が出たら、冷静に状況を振り返り、リフレッシュしたり、ストレスを軽減する対応をしたり、アクションをとることが重要だね。
最近はコロナの影響で社会が大きく変わっているので、ストレスも溜まりやすくなってますから、こういったセルフチェックは重要ですね。
そうそう。でも、本人だけでは限界があるから、周囲がそれに気づいて対応できれば最高だね。
それが職場全体でLISACO®を導入するメリットの一つですね。
上長は部下の行動特性を理解しておけば、いろいろとフォローできるからね。LISACO®の上長のマネジメントを支援する機能については、次の機会に説明することにしよう。
ありがとうございました。次回は是非例のお店でお話を伺いたいです。
緊急事態宣言明けに一旦予約を入れておこう。大将にも久しく会っていないし、是非そうしよう。
千部長と岬課長のマネジメント日記 つづく
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