方法・手法

行動特性とコンピテンシーの違いって? 千部長と岬課長のマネジメント日記 Vol.2

日本企業における評価指標や評価制度について、「コンピテンシー」や「コンピテンシー評価」などといった言葉を良く耳にするようになりました。また、近年は「行動特性」をマネジメント面に利用する手法も提唱されるようになってきています。
「コンピテンシー」とは何か?「行動特性」と何が違うのか?マネジメントにどう生かせるのか?
今回も、4人の部下を持つ岬課長(みさき かちょう)と上司の千部長(せん ぶちょう)のやりとりを見てみましょう。

行動特性とコンピテンシー

千部長、この前教えて頂いた行動特性について、あの後自分でいろいろ調べてみたんです。そしたら、だんだん興味が湧いてきて…。いくつか質問があるのですが、ちょっとお時間いただけますか?

期末の忙しい時期だったのにマネジメントの勉強も頑張っているね。今、丁度一段落したところだから、大丈夫だよ。

この前教えて頂いたのは行動特性をチームのマネジメントに活用する方法でした。調べてみると行動特性に着目した人事評価制度もあるみたいですね。

コンピテンシー評価のことかな?

それです。「コンピテンシー評価」とか「行動特性評価」とか言われてるみたいですけど、「コンピテンシー」と「行動特性」って同じ意味なんでしょうか?

ニューヨークオフィスのキャサリンが聞いたら、
“Good Question!”と褒めてくれる質問だね。

キャサリンって、あのレジエンド…
ヘップバーンCEOのことですか?

キャサリンは同期だからね。日本酒好きで、家族ぐるみの付き合いだよ。

そうなんですか!でも、どうしてGood Question!なんですか?

コンピテンシー評価と行動特性評価はイコールだけど、行動特性とコンピテンシーはイコールではないということ。

コンピテンシーとコンピテンシー評価

ハイパフォーマーってわかるかい?

ヘップバーンCEOみたいなすごく仕事ができる人のことですよね。

彼女は典型的な例だね。
「業務遂行能力が高く、安定して成果を出し続ける人材」のことだね。岬課長もうちの部のハイパフォーマーだと思うよ。

ありがとうございます!

そのハイパフォーマーの行動特性のことをコンピテンシーと言うんだ。だからコンピテンシーは行動特性の限られた部分にフォーカスしたもので、この二つはイコールではないんだ。

そうなんですね!では、どうしてコンピテンシー評価と行動特性評価はイコールなんですか?

順を追って説明していくからちょっと待って。
ハイパフォーマーの行動特性をモデル化して、それを基準に評価をする手法がコンピテンシー評価と言われる制度だ。

モデル化されたハイパフォーマーの行動特性にどれだけ近づいているかで評価するのがコンピテンシー評価というわけですね。若手の目標となるロールモデルに近い考え方ですか?

そうだね。ロールモデルは人物。将来あんな人のようになりたいと思われる人だね。コンピテンシーは、ロールモデルになるようなハイパフォーマーの行動特性の特徴をいくつかの確度から指標化して作ったモデルということになるね。

憧れの人に近づくために、具体的に何を頑張るべきか分かるのがコンピテンシーのよいところで、それを評価に取り入れたのがコンピテンシー評価ということですね。

コンピテンシー評価の現実

勉強しているだけに理解が早いね。ここまでくれば、なぜコンピテンシー評価と行動特性評価がイコールなのも解ったのではないかな。

行動特性を利用した評価方法は、コンピテンシー評価以外はないということですか?

あまり聞かないね。そもそも行動特性って良いとか悪いとかという考え方には、あまりなじまないからね。

???

行動特性は、簡単に言うと家庭や社会での経験の積み重ねで形成された「人となり」のことだからね。みんな違うし、それが当たり前だと思わないかい?

確かにそうですね。

コンピテンシーは、ハイパフォーマーの行動特性に着目して考え出された概念だけど、相対的なものなんだよね。どんな人がハイパフォーマーかは業界や職種によっても違うし、会社によっても違うからね。ある会社でコンピテンシーが低いと評価されても、転職先ではハイパフォーマーと評価されることも十分可能性がある。勿論、その逆も。海外では高い評価を求めて転職するのは当たり前だからね。そうやって社会的に人材配置の最適化が進むわけだ。

最近は日本でも転職率は上がってきていますが、まだまだ転職するのは当たり前という社会じゃないですから、コンピテンシー評価は日本には馴染まないということですか?

日本でもコンピテンシー評価は十分価値があると思うよ。岬課長もさっき言っていたけど、個人の成長のための自己啓発や研修には具体的な目標があったほうが理解しやすいからね。ただ、現実問題としてみんながみんなハイパフォーマーにはなれない中で、日本の場合社内で最適な人材配置を考えなければいけない。社員一人ひとりが得意な分野でチームに貢献するのが理想的だよね。

適材適所ですね。そこに行動特性って活用できないですか?チームの一人ひとりの行動特性が解れば、マネジメントにも活用できそうな気がします。

行動特性のマネジメントへの活用

鋭いね。行動特性のマネジメントへの活用はすごく可能性を秘めていると思うんだ。

この前仰っていた行動特性の分類に基づいて、部下のタイプごとに最適なコミュニケーションをとれば、こちらの言いたいことが伝わりますもんね。私から田中さんに伝えるときと、鈴木さんに伝えるときは、タイプが違えば伝え方も違うということですね。

そうだね。でも、上司が部下を指導するときには部下の行動特性だけの分析では完璧とは言えないんだ。上司だって人だよね。上司の行動特性と部下の行動特性を両方分析できて初めて上司と部下との間の最適なコミュニケーションがわかると思わないかい?

確かに上司にもいろいろなタイプの人はいますよね。でも、そんなことできるんですか?

できるんだよ。岬課長が田中さんを指導するときには、岬課長の行動特性と田中さんの行動特性の関係性を分析結果に基づきコミュニケーションのアドバイスをもらえるんだよ。

それはいいですね。

しかも、私が、岬課長と田中さんとの関係をフォローするときに、どのような伝え方をすれば良いのかのアドバイスももらえる。これも二人の行動特性を分析して出されるアドバイスだよ。

それってもしかして、この前も仰っていた行動特性分析ツールLISACO®でできちゃうんですか?早く導入しましょうよ。

岬課長、じゃぁ、無償トライアルの依頼をしてくれる?

わかりました。あのぉ…今日は呑みのお誘いないんですか?

行きたいところだが、今日はぐっとこらえて帰るとしよう

早くコロナがおさまるといいですね

そうだね。それに今日は自宅に戻って23:00からキャサリンとTV会議なんだ。アジェンダはこれ―ほら例の件。岬課長も参加する?

・・・働き方改革推進中なので、遠慮させていただきます・・・ヘップバーンCEOにくれぐれもよろしくお伝えください・・・

千部長と岬課長のマネジメント日記 つづく

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